水になるブログ

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不動産不況と人々の憂鬱

 中国に関する経済環境の悪化と今後に対する不安、世界経済に与える影響などが日を追うごとに大きな関心を呼ぶような状況になってきました。その中でも大きな問題は不動産の不況ですが、今回取り上げた記事では一般の人々がおかれている現状において住宅購入や雇用環境などについて生々しい声を紹介していますので、それらの声を中心にピックアップしてみました。

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広州に二歳の子どもと住むHe Yingは夫とともにマンションを購入する計画を保留にしている。夫は地元で職場がみつからないため浙江省で働いている。

“I’ve been saving for a down payment for several years, but this year my husband’s income is very unstable,”

“Property prices are falling, and more young people are choosing not to get married or buy a house or have children,” He said. “All of this makes me think I shouldn’t buy property this year, and instead should hang on to the cash in case something happens.”

「ここ数年頭金のための貯金をしているけど今年は夫の収入がとても不安定になっています。」

「不動産の価格が下がり、若い人はどんどん結婚や住宅購入や子どもをもつことをあきらめている。」

「こうしたことから今年は不動産を購入すべきではないと思っている。それよりも不測の事態に備えて現金を確保しておきます。」

 

Wang Qiuyueは大き目のマンションを購入したいと思っている。Wangは小さなインターネット企業の部長だが、居住地の家族所有に関する制限があり、購入できないということだ。

北京は不動産と自動車の購入に対して中国の一級都市の中でもっとも厳格な制限を設けている。

“I don’t have the additional budget nor time to spend on anything but repaying the mortgage and raising my boy,” said Wang, whose son turned one in July. “But I am worried, very much so, about job prospects. If I were unemployed, everything would be ruined.”

「住宅ローンの支払いと子どもを育てること以外につかうお金も時間もない。」子どもは7月で1歳になったばかり。

「だけど心配ですよ。これからの雇用環境についてはとても心配しています。もし失業したらもうお終いです。」

 

中国人民銀行が第二四半期に行った調査によると50都市の20,000人の預金者のうち今後三か月の間にマンションを購入する計画があると答えた人の割合は第一四半期の17.5%から16.2%に下落した。

一方で不動産価格がさらに下落すると予想する人の割合は14.4%から16.5%に上昇している。

 

Yu Qianは26歳のフリーランスの英語教師だ。河南省の三級都市、駐馬店市に住んでいたがよりよい仕事を求めて省都の鄭州市に夫と生まれたばかりの子どもを伴なって引っ越した。彼らは今は住宅を購入する予定はなく、90平米、家賃2,100元(約40,000円)のマンションに賃貸で住んでいる。

“We are also considering buying an apartment in Zhengzhou, but I think property prices will very possibly drop next year. The liquidity and preservation value of real estate are much worse than before,” Yu said. “All of my friends who bought an apartment over the past couple of years have regretted the decision.”

「鄭州でマンションを購入することを検討していますが、価格は来年さらに下がると思っています。流動性と資産価値が以前と比べてだいぶ落ちていると思いますけど。」

「ここ数年にマンションを買った友人たちはみんな後悔しています。」

 

40代半ばで自営業を営むLiu Suzhenは購入制限がなければ購入したいものがあると言う。

“I won’t cut my consumption budget. [I have] no plan to buy a big apartment, as it is too expensive. Overseas tourism is not easy, so I travel domestically, and that is it. If Beijing can loosen the auto-plate restrictions and grant me a quota, I would, without hesitation, spend 400,000 yuan to buy a car,”

「消費に回すお金を減らす必要はありません。マンションを買う予定はありません。高すぎるから。海外旅行も肝胆ではないから国内旅行ですませます。北京政府がナンバープレートの割り当て制限を緩和して私に割り当てをもらえれば即40万元(約760万円)をつかって車を買いますよ。」

Liuは2012年に北京市が割り当て制度を施行したときからずっとナンバープレートの抽選に参加している。

 

広州市の外資企業で営業本部長をしているEli Maiが保有する二つのマンションは2016年の380万元(約7,200万円)から2017年には640万元(約1億2,000万円)に値上がりした。2021年にはさらに800万元(約1億5,000万円)になり、そこから今は700万元(約1億3,000万円)を着るようになった。

“No one knows how the economy will be in the future. Under such circumstances … you should not invest rashly,” he said.

“Now, most Chinese ordinary people who own housing feel that their wealth is shrinking dramatically. That must be profoundly affecting the economy and the spending,” Mai said.

「このような環境にあって経済の先行きがどうなるか誰にもわかりません。とにかく急いで投資するべきではありません。」

「現在、住宅を保有する普通の人々の多くは自分たちの資産が急激に減少していると感じています。このことが経済と消費に対して深刻な影響を与えているのは疑いようもありません。」

 

Li Weiは深圳でフリーランスのコピーライターをしているが、毎月18,000元(約34万円)2010年代後半に購入した三つのマンションのローン支払いに充てている。当時不動産は活況で、購入者は価格が上昇し続けるものと信じていた。

“The mortgage is now a heavy burden for me,” said the 34-year-old with a two-month-old, as current market prices have fallen below what she paid.

Adding to her stress, she has not yet been paid for freelance work done this year.

“Overdue payments are common in the film industry,” she said. “The production company delayed payment to the advertisers, which then delayed payment to us.”

「住宅ローンの支払いが今となっては重石となっています。」

34歳の彼女には生後二か月の子どもがいる。今の価格は彼女が購入したときの価格から下がっている。さらに彼女のストレスを増加させることに、今年に入ってからフリーランスの仕事に対する支払いがまだ実行されていない。

「映画業界で支払いの延滞はいつものことなのです。」

「制作会社から広告会社への支払いが遅れ、私たちへの支払いが遅れるのです。」

 

Be water, my friend.