インフルエンサーがSNSなどで情報発信して特定の商品販売に貢献するマーケティングスタイルが中国やアジア圏で近年、急速に発達しています。KOL（Key Opinion Leader）と呼ばれるこれらのインフルエンサーのバックグラウンドは一般人から有名人まで多岐にわたりますが、いわゆる「炎上商法」をねらったものなのか、今回取り上げている記事は女優と元俳優の夫婦がKOLとしてかなりとがったメッセージを発して話題になっています。
この夫婦が取り上げた商品は「上海ディズニーランド」でした。上海ディズニーランドは2016年に開業しましたが、私が上海に住んでいた時にはまだありませんでした。2008年に香港のディズニーランドには行ったことがあり、シンデレラ城の背が低いのと天然の樹木の生い茂る様が南国を思わせるそれで雰囲気が違うな～と思ったものの、当時はとにかく空いていたため子どもたちが快適に遊べたのがとてもよかったと憶えています。
上海ディズニーランドは料金が高いとか、サービス上の問題などでとかく不評を買っていたそうです。ちなみにネットで調べてみたところ、東京ディズニーの1dayパスポートが7,900円～10,900円、楽天トラベルで表示されている上海ディズニーランド・パーク1日券（平日）が10,966円となっています。上海の現地では祝日を除いて475元（約9,300円）、祝日が799元（約15,700円）で、過去何度か値上げを繰り返しているとのこと。
今回、女優と元俳優のこの夫婦が上海ディズニーランドの販売促進のため発信したメッセージは以下のとおりですが。まあ生臭いこと。
「もしお宅のお子さんの友だちが親といっしょにディズニーランドで遊んだことを自慢してしかもあなたはお子さんをまだ一度も連れて行っていないなら、お子さんは自分を負け組と思うでしょう。」
「私はよく自分の子どもに『負け組と思うな、ポジティブでいろ』、と言います。そこであなたに尋ねたい。お子さんのためになにをしてあげましたか？」
「お子さんがみじめな思いをして胸が痛みませんか？お子さんをディズニーランドに連れて行ってないことを恥ずかしく思いませんか？すぐに行動しましょう。チケットを買うのです。」
夫婦はソーシャルメディアの微博で3000万人のフォロワーがいます。この販売促進に対して怒りの声が上がりました。
「いったいどういう理屈だ？まったく大きなお世話だ！行ったことがない場所、やったことないことはいくらでもある。我々にいちいちそれを恥と思えということか？」
販促、商売とは言え行き過ぎた発信は単に逆効果なだけでなく、当人たちの評判もだいぶ落としたようです。
Be water, my friend.
