水になるブログ

米国株を中心とした投資、料理、ゴルフの話題をお伝えします。

Kadoorie家のKadoorie Hill

 Kadoorie Hill(加多利山)は九龍城区にある住宅地です。主な開発はユダヤ系のKadoorie家によるものです。Kadoorie家は18世紀にムンバイでその基礎を築き、やがて上海、香港でビジネスや慈善活動を展開するようになります。1990年代には上海の博物館の建設に50万US$を寄付しています。Sir Michael KadoorieはHongkong and Shanghai Hotelsを47%所有しており、このHongkong and Shanghai Hotelsはペニンシュラホテルを運営しています。

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 Abby Choiの事件は日本でも記事になっていますが、切断された遺体の一部が発見されるという凄惨かつおぞましい犯行が大きな注目を集めています。犯行はAbby Choiの元夫とその家族によるものとみられ、経済的目的が動機のようです。彼女の元夫の父親(Kwong Kau)の名義で購入されていたのがKadoorie Hillにある高級アパートで、73百万HK$(約13億円)だそうです。

 Abby Choiはこのアパートを投資目的で売却することを計画していたようですが、これが元夫の父親との利害対立の種となり、殺害の動機となったものとみられています。すごいな、と思ったのは彼女の母親ですが、早速裁判所にこの不動産の名義人となっているKwong Kauに対して資産の売却を禁ずる令状を申したてたことです。

 申し立てはKwongの資産に対する法的所有権は(購入者である娘の)Choiの委託によるものでこの資産に関するChoiの利益をなんら否定するものではない、との内容です。事件が発覚したのが二週間前で、娘を亡くした悲嘆の傍らで資産保全のため、もうこのような法的措置に動いているわけです。

 さすが香港、とへんに感心してしまいまいた。お亡くなりになったご本人にはご冥福をお祈りしたいと思います。

Be water, my friend.