水になるブログ

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香港から億万長者がいなくなる

 ミリオネア(millionaires)といえば、億万長者と同義と認識しています。one million USなら約1.4億円になりますので、資産がそれだけある、イコール億万長者、で間違ってはいないでしょう。

 ロンドンのHenley & Partnersが世界の都市別high net-worth individuals ( = 投資可能な資産を100万US$以上保有する人)に関する調査を報告しており、今年上半期、香港の億万長者は14%減少し125,100人となって豊かなトップ10の都市から滑り落ちて12位になりました。今年、香港から3000人の億万長者が移住したとありますのが、この人数だけでは14%減少の説明にはならないので保有している資産そのものが減少した、ということでしょうか。

sc.mp

 非常に驚いたことは、この都市別のランキングで東京が1位のNYに次いで2位に位置していることです。平均的には貧しくなる一方で、賃金が全く上がらないと言われている日本で、東京が依然としてこの位置にいるのはかなり意外でした。一部の起業家、大企業役員などの収入、資産が大きく増加し、経済格差が顕在化していることの表れなのでしょう。

 北京や上海は9位、10位で、これも意外です。おそらく中国全土の億万長者の数は日本のそれを凌駕するのでしょうが、都市別になると北京、上海といえどもまだこの位置ということです。しかし、隠している数字があり、実質は中国の大都市の方が東京より多くの億万長者がいると考える方が自然だと思います。国家や地方政府の統計は大きく見せるでしょうが、個人にとっての資産は獲得経路や税務の理由からより過少に捕捉されているはずです。

 香港に話を戻すと、厳格すぎる感染症対策が経済停滞の大きな要因と考えれており、個人の保有資産にも少なからず影響をもたらしていると考えられます。入境に対しては今も三日間の指定ホテル隔離を義務付けていますが、経済活動への影響、金融ハブとしてのプレゼンスの低下などから内外からの隔離撤廃要請の声はますます大きくなっています。11月に金融サミット、ラグビーの国際大会も予定されており、新行政長官はぎりぎりのところで判断を求められています。

Be water, my friend.