水になるブログ

米国株を中心とした投資、料理、ゴルフの話題をお伝えします。

香港で三番目の富豪の資産管理

 香港の株式相場は今年は最悪でしたね。12月30日12:00のハンセン指数は年初から15%の下落です。本題とはまったく関係がありませんが私も10%、香港上場銘柄に入れています。そんな現在の投資環境、資産管理に対する影響を垣間見る香港の資産家のお話です。

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 上海の行政の中心である人民広場は地理的にも上海のへその位置にあります。恒隆プロパティのPlaza 66のような香港資本のラグジュリー・モールのある南京西路から南京東路に抜けると、一転して地方からのおのぼりさんが多く、地元色の強い景色に一変しますが、南京路の東西の中間が人民広場の位置になります。南北に走る西蔵路に隔てられて南京西路の東端にNew World Developmentの新世界城があります。どちらかというと南京東路の風情に属するモールです。上海にいるときにも、あまり寄ることのない場所でした。

 New World Developmentは香港四大不動産デベロッパーのひとつです。前年度の売上高は日本円で9500億円、税引き前利益が1450億円、総資産8.8兆円という、おとなりの野放図経営不動産屋たちとは大違いのぴかぴかの財務内容です。香港ではK11、Grand Hyatt Hotelなどを運営しています。創業者の息子として会長職についているHenry Cheng Kar-shun(中国名:鄭家純)は香港で三番目の資産家で、ジャッキー・チェンなどとともに中国人民政治協商会議の委員にも名前を連ねています。

 Henry Chengの妻、Katherine Ip Mei-hingはこのほど香港を一望できる名所、The Peakにある日本円換算で63億円の豪邸を購入しました。平米単価にして約1600万円の購入単価は香港の高級住宅の売買価格として過去最高だそうです。株式相場のボラティリティを嫌気した資産リバランス目的の購入です。この単価もすごいのですが、購入にあたっては株式の譲渡をいう方法をつかっています。香港の不動産購入は二軒目から印紙税が二倍にかかるのですが、株式譲渡で取引することによってこの印紙税を免れるというわけです。その節税額だけで9億5000万円。

 トマ・ピケティ曰く、r>g(資本収益率rは経済成長率gを上回る)。まさに真理。

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