水になるブログ

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中国の人口が減少に転じる

 ”今後の経済成長にとって生産性向上の寄与がさらに重要となり、生産性向上は政府の政策によって推進される” これは日本にもぴったりと当てはまると思いますが、Pinpoint Asset Management Limitedというヘッジファンドのpresidentが中国に対して指摘したコメントです。
 中国の人口が1961年以来初めて減少に転じた、というニュースは大きな注目を集めました。あれだけ日本の不動産バブル崩壊の二の舞を踏むまいと研究した中国ですが、不動産も人口減少も着実に日本の二の舞を踏んでいます。
 2022年の人口統計からなにがわかるか、South China Morning Postの記事を追ってみたいと思います。

  • 人口:14億1180万人(前年より85万人の減少)31の省・自治区・直轄市を含み、外国人を除く(香港、マカオ、台湾を含まない)
  • 出生数:956万人(前年の1062万人から9.98%減少)
  • 出生率:6.77(1000人あたり、前年7.52)1949年以来最小
  • 死亡者数:1041万人
  • 年齢による人口構成:16歳から59歳 8億7556万人(62%’、前年62.5%)、65歳以上 2億978万人(14.85%、前年14.16%)
  • 都市部と農村の人口構成:都市部 9億2071万人(前年より646万人増加)、農村 4億9104万人(前年より731万人減少)、都市部の人口は全体の65.22%を占め、前年より0.5%P 上昇した

sc.mp

 出生数の減少率がおよそマイナス10%に達しているのに少々おどろきました。日本のそれはマイナス5%とみられていますので、その倍のペースということになります。中国は2022年までゼロコロナ政策をとっていたため、この影響が大きく反映された結果と思われます。都市部の人口増加については、政府が政策として都市化をすすめており、極端なケースは新たに都市をつくって人を強制的に移動させているのでその成果と言えるでしょう。
 おそらく中国政府も人口減少に歯止めをかけるべく対策を講じると思いますが、出生数や出生率を増加させるのは難しいでしょう。個人に対する経済的なインセンティブ策はすでに試みられていますがほとんど効果がありません。なんでも罰金で解決するのが好きな国なので、一人っ子政策の真逆で子供がいないと罰金(課税)、などとやるかもしれませんが効果がない上に暴動の原因になりそうです。日本も同じですが結婚して、できれば二人、三人と子供をつくりたいと考える人を増やすには経済を成長させ、社会を大きく変革させて人々のマインドを変える必要があるからです。
 企業が事業規模拡大のため(単純にかさ増しをするため)にM&Aをすることがあります。人口でインドに負けない、というだけなら香港やマカオを合算して、なんなら台湾も合算すれば数年は持つと思いますが。

 中国はひとつ、干渉すれば火傷をする、などと勝手に言い続けて経済統計や感染者数など肝心なことは本当のことを言わないので、軍事的圧力や統合などせずに経済統計でも人口統計でも勝手に台湾を合算して満足していればよいのでは。
Be water, my friend.