水になるブログ

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旧正月

 今日(1月22日)から香港も中国と同じ旧暦による旧正月(春節)を迎えます。中国の場合、春節は農村から都市に出稼ぎに来ている人々が故郷に帰る一大イベントとなります。生産工場の場合、ラインの労働者は多くがそのような人々であり、だいたい一ヶ月ぐらいは稼働を落として生産することになり、また故郷に帰ったまま戻らない、あるいは転職してしまう人も多く、新たに採用をしたりします。

 上海にHQがある米系のグローバル企業に出向した時、Annual Dinner(日本でいえば忘年会、または新年会)なるものが旧正月の前に行われていました。中国企業でも年会と言って、同じように旧正月前に行われます。日本人は日本と同じように12月に忘年会を行い、1月になると今度は中国式の忘年会に参加する、となります。

 決算期が1月-12月の場合、12月に年度が締まるとともに次年度の予算、計画などを練り込んで会社、部門で方針発表などを行い、今年もやるぞ〜と言った舌の根も乾かぬうちに忘年会、新年の休暇、となるためアクセルをふかしたと思ったらブレーキを踏むような奇妙な時間の流れを味わいます。3月決算の場合はそういうことにはなりませんが当年度の最後の追い込み、次年度に向けた受注の積み上げに重要な第四四半期の稼働がガクンと落ちることになります。

 普段使っているグレゴリオ暦とのずれも厄介です。今年は例年より前倒しにずれており、1月の給料日が20日に前倒しになり私の会社の場合は6月-12月の業績に対する賞与支払いも重なります。このタイムラインでは業績評価、賞与金額の決定の時間が取れないので、苦肉の策として1月に暫定支払い、評価確定後2月に残りを支払うことにしました。

 旧暦、旧正月の習慣をもつ中国や香港の企業は旧正月前に賞与や一時金を支払うことになります。そして、同時に人材が流動化します。転職を考える人は賞与を受け取ってから退職するからです。今年も旧正月に入る直前に退職届を提出した社員がいましたが、他の社員の害になる行動が見られたため解雇しようと思っていた人材だったため、これはよかった。解雇すれば補償金が発生しますし、今辞めてくれるなら二回目の賞与は支払わずに済みます。

 香港にもお年玉と同じような習慣がありますが、日本のそれよりもより広範に行われます。基本は年長者が年下の人に配る、というものですが親子の間でも子どもが成人してもいつまでたっても続いています。特に既婚者は年齢に関係なく行動範囲の中で幅広く配るようです。旧正月前になると小売店はそれぞれ独自のお年玉用の袋を用意して宣伝の目的で配っています。香港では利是(れいし)と呼ばれています。中国では紅包(ほんばお)です。

Be water, my friend.