中国の高鉄がその走行スピードや大都市間を結ぶ路線のわりに利便性が悪いと感じ、移動の選択肢としてあまり気が進まなし理由を列挙しますと、
- チケットの予約がめんどう(当時はネット予約がないため)
- 帰りの予約がうまく取れない時がある(こうなると、白タクのような車を見つけるしかなく、下手をすると赤の他人と相乗りになりあまり愉快ではない時間と空間を我慢することになる)
- 構内に入る前のセキュリティチェックがあり、ときに長い列を待つことがある
- 高鉄の駅構内があまりにも広大で、かつ予約したチケットを窓口で受け取るのにどこに並べばよいのかわかりづらい
- ここだと思って並び、やっと順番が回ってきたと思いきや「向こうだ」と言われる
- ここだと思って並び、やっと順番が回ってきたと思いきや自分の番の直前に窓口がクローズされ、他の窓口で一からやり直すはめになる
- 必ず割り込む客がいる(あと5分で自分の列車は出てしまうとかなんとか言い、列に並んでいるほかの客もなぜか納得する)
- だだ広いので、トイレが遠く、出発予定時間直前に行こうとなると、あわてることがある
- だだ広いくせに、気の利いた店などはない
- だだ広いため、誰かとの待ち合わせでうまく行き合わないと乗り遅れそうになる
- ビールは売ってない
- 気の利いたつまみも売ってない
- ホームにでる前にはゲートがあり、直前まで開かない
- このゲートでも必ず割り込むやつがいる
- やっとの思いで乗車するころにはくたくたになっている
- くたくたになっているところへ、自分の指定した席には50%以上の確率でほかのやつが座っている
- 席が違うよ、と言って移動してもらうが、怪訝な顔をされる(こっちがおかしいような気にさせられる)
- 当然のことながら乗客はうるさい
- ホームの駅名表示が目立たないため、乗車駅を通過してしまったのではないかといつも心配になる(スマホがないころ特に)
と、まあ、高鉄に限らず一般的に中国で生活しているとよくあるケースですが、高鉄に限定してひとことで言えば、効率が悪いということです。そもそも予約した列車が出発する30分前には駅についていなければならないので、タイムロスが大きいのです。特に初めての駅ならもっと余裕を見た方がいいでしょう。東京ー名古屋あるいは大阪の移動と比較するとその運行本数、予約から乗車までのスピード、駅構内での時間の過ごし方、などなど駅から駅への移動以外の付随するサービスや環境があまりにも差があり、高速鉄道サービスといっても同じにはくくってはいけない代物だという思いが強かったです。
鄧小平が「ムチで打たれているように速い」と表現した「近代化」は実現しましたが、乗車までの効率、構内のつかい勝手、人々のふるまいや素養はどうでしょうか。今はそれらも格段に改善されているのかもしれませんね。
(続く)
Be water, my friend.