中国で若年層の高失業率が問題となり、ついには政府がその数値を発表するのもやめてしまういという事態に至っています。
日本でも"モラトリアム"、"ニート"、"引きこもり"、などこれまでに社会現象として定義され、社会問題として認識されており、同様の現象が今、中国でも注目され始めています。残念ながら中国語ではなく英語に置き換えてのご紹介となりますが、若年層の失業、労働意欲に関するいくつかの面白い言い回しについて取り上げてみます。
”「失業と言うなかれ、遅れているだけだ」、何でも都合のいいように言いくるめようとするのがこの国の常なのだ”
“Slow employment”
中国の大都市で"slow employment"を選択する若者のうち、32%が学業を続けたいという意思があり、6%が単純に就業を先に延ばしたい、また全体の57%が卒業後、2023年に就職希望を選択している、と国家統計局は報告しています。また、就業を先延ばしする人の割合は2015年と比較して5倍に増えています。
Hang Seng銀行のチーフエコノミストであるWang Danniによれば、
- ”slow employment”は失業ではなく、彼らは"寝そべり"を決め込んだ無気力労働者なのだ”。(註:「自発的失業者」に分類されると思われる。)
- 多くの家庭では子どもを援助する手立てがあるが、あまりにも長い間その援助に頼ろうとするのは問題だ。
- 親の年金や資産には限りがあり、長期に亘って子どもの寝そべりを支えることはできない。
あたりまえですよね。
”Flexibile employment”
こうした社会問題から世間の注目をそらすため、政府は”flexibile employment”や”light employment”などという言い回しを使い始めている。これは(正規雇用に代わって増加している)フリーランスやパートタイムなどの働き方について適用される。
また”full-time children”、”paid children”という呼称もあり、両親と一緒に住み、いわゆる家事手伝いをしているケースについてつかわれる。このケースは積極的に仕事を探していないとして失業統計に含まれない。
Be water, my friend.