水になるブログ

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香港の財務長官

 香港金融管理局が主催するグローバル金融サミットが11月1日から開催されました。Covid-19の影響を受けて以来、香港で行われる初の国際イベントであり、世界各国から200名以上を招いてのサミットです。香港政府としては、中国大陸ほどではないにせよ、他国と比較して厳しい入境制限、行動制限をとっていたため外国人居住者や外資企業の流出による経済的影響を受けている香港が再び門戸を開くことによって、金融ハブとして、あるいはハイテクの拠点としての存在意義をアピールしたいというねらいがあります。

 これに対してアメリカでは数名の議員から香港訪問は控えるべきだとの要請がありました。アメリカは2020年に、中国による香港国家安全維持法の施行を受け、トランプ大統領が香港に対する優遇措置を廃止する大統領令に署名しました。これを受けて米財務省は、香港の自治侵害などを理由に、当時の行政長官である林鄭月娥(キャリー・ラム)を含む11人を制裁対象としました。この11名に現行政長官の李家超(ジョン・リー、当時保安局長)が含まれており、今回の議員要請は米国が制裁対象としている香港行政長官の管轄下で開催される本サミットに米国の金融機関トップが出席するのはいかがなものか、というものです。

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 結果、Citigroup CEO(Jane Fraser)とBlackstone president(John Gray)の二名がCovidを理由に欠席となりました。(Covidの陽性反応が確認されたという意味か、Covidのリスクを懸念してという意味かは不明)また、Barclays group CEO( C. S. Venkatakrishnan)が予定を変更するというで欠席。Capital Group CEO (Timothy Armour)は健康上の理由で欠席となりました。主要な金融機関のトップ四名が欠席ということです。
 おもしろいと思ったのは、香港財務長官のPaul Chan。財務長官は本サミット主催者の一人ですが、先週サウジアラビアを訪問してCovidの陽性反応が出てしまいました。マスクをせずに会談している写真が載っているその記事を読んだとき、翌週に大事なイベントが控えているのにずいぶん迂闊な人だな、と思いましたけど。10月31日、今回のサミットに先駆けて行われた香港 Fin Tech Weekで同長官がHong Kong ‘back in business’とアピールしたとあったのですが、記事のコメント欄で「陰性反応を確認して執務に戻った自分のことを言っているのだろう」と揶揄されていました。

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 財務長官は米英の主要金融機関トップの金融サミット欠席について以下のようにコメントしています。
“it is understandable” that four top bankers could not make it due to Covid infections and personal reasons, but assured that the summit earns a lot of support from international guests.
 「四名の金融トップがCovid感染で出席できなくなったのは理解できる。」うーん。それはそうだろう。これ、まじめに言ってるんですよね。悪い人ではなさそうですね。
Be water, my friend.