水になるブログ

米国株を中心とした投資、料理、ゴルフの話題をお伝えします。

2025年 中国高速鉄道5万km計画 (1) 鄧小平の近代化

 1978年、今日に至る中国の経済発展を導いた鄧小平は日本を訪れ自国の「近代化」目標のための学習の旅を挙行しました。宝山鋼鉄として中国を代表する製鉄所の創業を支援した新日鉄の君津製鉄所視察や松下電器で初めてみる電子レンジなどとともに印象深いエピソードとして新幹線の乗車体験がありました。「後ろからムチで打っているような速さ」という感嘆が非常に印象に残っているのですが、「近代化とは何かがわかった」と直接身体で感じた武者震いを率直に語っています。ご本人の受けた印象が非常によく伝わってくる感じを受けます。やはりコミュニケーション能力に非常に秀でた人物なのでしょう、と推測します。

 高速鉄道という名称で、中国の大都市間を高速で運行する鉄道網計画の具体的な第一歩は1990年12月の全人代に提出された北京ー上海間の建設案です。当時国務院が委託した実現可能性に関する調査には建設コスト負担が大きいことから採算性に対する疑問を呈し、この案に対する反対もあったそうです。三峡ダムもそうですが、このような国家プロジェクトには研究者や学者から冷静な意見も発せられるのですが、最後は押し通されてしまいますね。

 計画は実行に移され、ちょうど私が上海駐在を開始する2007年の4月、「動車組」、「和諧号」の名称で運行が始まりました。日本の川崎重工も技術提供し、海外各国の技術を盗んで、もとい、学んで車両の「国内製造」を堂々と宣伝していました。私も早速、上海から蘇州、無錫、杭州などの近隣の大都市へ移動するのにつかっていました。ただ、日本人からすると、新幹線と比較してしまい、どうにも不便に感じてしかたがないことが多く、高速鉄道(高鉄)で移動する予定の日は軽い憂鬱を感じていました。たしかにいったん出発してしまえば、駅から駅までは高速で移動します。

(続く)

Be water, My friend.

junyan-1989.hatenablog.com