ちょっとしたサプライズでした。東芝、GEに続いてジョンソン&ジョンソンも事業分割の計画を発表しました。
日本でもなじみのあるバンドエイドやベビー・パウダー、日本では販売されていないけれども、風邪などの発熱時に強力な効き目を発揮するタイレノールなどの消費者向け製品事業を切り離します。spin-outと呼ばれるスキームです。
発表があった11月12日、株価は+1%上昇し、投資家からは好感されているようです。今後より大きな市場の成長が見込める高利益の事業に集中することは合理性が高く、また市場競争においてもすでにPfizerなどの同業他社が同様の決定をしていることから当然の反応ですが、むしろ遅すぎたのかもしれません。
Medical Devices、Pharmaceutical、Consumer healthの三つの事業の売上構成比はそれぞれ28%、55%、17%となっています。(2020 Investor Fact Sheet)WSJの記事によると、MDとPahrmaは高利益率だが先行きがやや不透明、Consumerは誰もが知る製品だが成長は鈍い、とされています。 分割する理由として、同社CEOのAlex Gorskyの顧客や市場のますますの多様化により今後長期にわたって持続的な成長を可能にするため、というコメントが紹介されており、18ヶ月から24ヶ月の間にこのスキームを完了させる予定です。
先だって同業のPfizer、Merckは消費者向けビジネスの分離をすでに決定しています。生き馬の目を抜く、と言いますか、熾烈な市場競争を勝ち抜くための意志決定と実行のスピードを感じます。
分割後のジョンソン&ジョンソンはなお世界一のヘルス企業の地位を保ち、消費者向け製品事業はP&G、ネスレ、ロレアルに続く業界大手となります。
今回の分割案の理由について、ベビーパウダー訴訟の影響は否定されています。
Be water, my friend.