水になるブログ

米国株を中心とした投資、料理、ゴルフの話題をお伝えします。

中国のインフレーション

 経済の停滞が深刻さを増している中国ですが、その分インフレーションについては欧米諸国のような状況とだいぶ異なるようです。(日本もですが)いくつかの要因、欧米との違いが指摘されていますが、なかなか興味深い内容です。

www.scmp.com

 CPIを構成するバスケットについて中国当局は公表していませんがアナリストの試算によると衣食住と交通で、米国と比較して大きな差があるようです。すなわち中国のバスケットは住と交通の構成が著しく低いのです。

 交通については車社会の米国でガソリンのℓ価格は史上初、5$を超えたことからも影響の大きさがわかります。ここ数年で自動車の所有が急激に増加し、販売台数でも一位になっているとは言え、最新の年間販売台数で米国の1.7倍程度で経済全体に与える影響は相対的に小さいと言えます。

 住宅については、アナリストの試算によると中国のバスケットでは約16%、対する米国が32%で倍の開きがあります。中国も帰属家賃に基づいて算出していると思われますが、16%はずいぶん小さいという印象です。ただいずれにせよ中国の不動産価格は下落が続いており、インフレーションには寄与しないでしょう。

 つまり中国のCPIにより影響を与えるのは衣食、ということなのですがこれらは国内生産でまかなえる割合が大きい分野です。逆に米国は多くの消費財を輸入に頼っているため中国国内の生産者物価の上昇からより大きな影響を受けているのは中国の家計よりも米国の家計だということになります。

 それとそもそもゼロコロナ政策によって需要が抑えられているのも大きいですね。

Be water, my friend.