水になるブログ

米国株を中心とした投資、料理、ゴルフの話題をお伝えします。

Amazon Musicのアップセルと大阪のおばちゃん

 気がつくとAmazon Music Primeにシャッフルなる機能が付加されており、頼んでもいないのに勝手に再生曲がシャッフルされて自分が聴きたい曲が指定できないようになりました。悪質なことに、シャッフルは特定のアルバムやプレイリストを飛び越えて選曲され、しかも解除ができません。

 しばらく放っておきましたが、手が空いたときにGoogleで検索してみるとやはり「不満続出」などの評価とともに話題になっています。要はAmazon Music PrimeからAmazon Music Unlimitedへのアップセルなのですが、既存のサービスを陳腐化させることによって新しいサービスに追加の費用を請求する手口は巧妙と言うより悪質と言った方が消費者の感覚に近いと思います。もちろん法律に反している訳でもありませんし、ユーザーは利用するもしないも、料金を払うも払わないも選択することができます。NHKの受信料を払うことに比べれば合理的です。(比べること自体意味がありませんが)

 投資家の心理と行動を説明するのにもよく使われるプロスペクト理論は人が受ける心理的影響は利益を得るときよりも損失を被るときの方がその程度が大きい、というものです。ずいぶん昔ですが、青森からりんごを売りにやってきたトラックが試供品を宣伝すると、あっという間に取り囲まれて本来売るはずだったりんごも全て集まった人々が持ち去ったという話がありました。この場面は大阪で、関西人(というより大阪のおばちゃん?)気質を説明するエピソードだったのですが、云はく「もらって得というよりは、もらわないと損、という気持ちが強い」とのことでした。なるほど、と感心したものでした。

 いずれにせよAmazon Music Primeで得られていた便益が損なわれることに対する心理的なダメージを利用してアップセルを誘導する手法は追加の料金を払うにしても気持ちのよいものではないですね。

 Unlimitedにアップグレードし、かつファミリー共有にしようかと決めて家族に連絡をしたところ、なんとApple Musicに登録しているとのこと。よく調べてみると、Amazonの場合はファミリーが利用するには同一国に居住していなければならないという制約もありましたが、Appleにはこの制約はありません。結局Apple Musicのファミリープランに登録することにしました。AmazonとApple、今回の決算でも明暗を分けていましたが、ここでもAppleに軍配が上がりました。(こじつけです。)

Be water, my friend.