水になるブログ

米国株を中心とした投資、料理、ゴルフの話題をお伝えします。

外食チェーンと生産ライン

 とにかく物価が高い香港の食生活で、外食の店選び(日本食)はシビアになります。私は料理そのもの以外では比較的こじんまりとして、落ち着ける内装、愛想よく接してくれるサービスを求めるのですが、ランチで300HK$(アルコール飲料込み、今なら日本円で約5400円)以内で探すことは不可能です。価格の基準をこれより上げてもなかなかお目にかかりません。

 寿司、焼肉、ラーメン、定食・総合のジャンルで日本のチェーン店が活躍しており、日本人駐在員としてはありがたい限りです。日本食が好きな人が多い香港の人にとっても嬉しいことだと思います。

 日本でこういったチェーン店でのサービスといえばマニュアル化されて教育された画一的な、あるいは統一されたイメージがあります。私が期待する「愛想よく接してくれる」というものとは少し違います。(個別の差はありますけど)香港の場合は、この画一的なサービスですらあまり期待できません。でもこれは理解できます。

 そこで、というべきかどうかわかりませんが、最近の香港のチェーン店はたいてい注文はQRコードをスマホで読み取ってweb上のメニューから、という方式になっています。利便性の面で良いこともありますが、なんだか味気ないなあ、と思ってしまいます。

 話は飛びますが、上海なら「愛想よく接してくれる」店員さんは珍しくありませんでした。本土の場合、サービス業の人材は農村から若い人たちが次から次にやってきて職に月、やがてステップアップを目指していくというバックグラウンドとモチベーションが香港の場合と全く異なります。

 席につくとQRを用意され、スマホで注文し、さらにこれが回転寿司になると注文したものがベルトコンベアで運ばれてきます。人との接触が一切介在しないこの効率が、美味しい寿司を手頃な価格で食べられることを可能にしているわけですが、ここまでくると工場にいるようだと感じてしまいます。ショッピングモールなどで吹き抜けた上の階から覗き込み、直線的にずらっと無機的に並んだレイアウトでお客さんが食べている様子をみるとレストランというより「生産ライン」の眺めです。

やっぱり日本人はこういうのが得意なんだなあとあらためて思います。

Be water, my friend.