水になるブログ

米国株を中心とした投資、料理、ゴルフの話題をお伝えします。

香港ドルのリスク

 香港ドルで給料を得ることでいい点は為替を気にせずに余剰資金を米国株に投資できることです。香港は米ドルペッグ制をとっており、1米ドルに対して7.75HKDから7.85HKDの範囲が定められています。それに、今日本に帰って香港ドルを両替して買い物をすれば、お得です。今のレートは17.8 HKD/JPYで、一年前と比べて二割程度円安です。香港ドル建現地給は昨年から変わりません(微増)ので、円安の分、円での購買力は上がったことになります。

 この米ドルペッグの問題は、金融政策の独自性が損なわれることです。例えば日本なら、円安が進行しようとも、ある程度までは放置プレーです。香港ドルは米ドルとペッグすることが決められているので、放置はできません。つまり米国の政策金利と歩調を合わせて利上げすることになります。米国は今年2月から利上げを開始し、1月の0.25から4.0まで政策金利を上げてきました。香港は1月には0.86でしたが直近11月3日に発表した政策金利は4.25です。これは2007年以来の水準です。(日本は2007年12月の0.5から現在の−0.1で推移!)

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 というわけで世界最高水準に高いと言われる香港の住宅価格が下がっています。またそもそも米国の高金利によって資金の流入が細っているため不動産投資に対して買い手の慎重な姿勢が見られます。香港ドルで2000万以上(約3.6億円)以上のluxury homeに限ってみると今年の販売件数は新築と中古を合わせて1,800件と見られており、2013年の1,430件以来最低の水準だそうです。ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー、HSBCなどの金融機関も住宅価格が引き続き下落することを予測しています。

 住宅ローン金利負担が上昇していることから住宅ローン市場も当然、縮小しています。

Be water, my friend.