水になるブログ

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新チャイナセブンと香港のリタ・ヘイワ―ス

 香港特別行政府立法会初代主席で親北京派の重鎮であるRita Fan Hsu Lai-tai(范徐麗泰)が今回の新チャイナセブン選出に際してコメントを発しています。香港にとって今後ますます緊張を増してくる地政学的環境下における指導と国家の発展との統合を深めていくことに対する支持を期待、という点で貴重な存在である、とのことです。
 この内容を取り上げているSCMPの記事では以下のように新チャイナセブンの面々の香港との関わりを紹介しています。しかし、調べてみると新チャイナセブンよりもRita Fan Hsu Lai-tai(范徐麗泰)の個人的な背景により強く興味を惹かれてしまいました。参考としてあわせてご紹介します。

sc.mp

※人名に続く()内は旧ポスト/新ポスト(見込み)を表します。
李強(上海市委員会書記/国務院総理):2003年から2005年まで香港理工大学でMBAコースを履行、2017年に江蘇省委員会書記として製造業に強い同省とサービス業に強い香港の交流会を企画した。また上海委員会書記時代にも香港の代表と度々交流した。

丁薛祥(中央委員会弁公庁主任/国務院常務副総理):2015年より香港の中央に対する年次報告に関するミーティングに頻繁に参加した。習近平の外遊や国内の出張に随行しているが、この中には2017年と今年7月の香港訪問も含まれる。

王滬寧(中央書記処常務書記/全国政治協商会議主席):王滬寧も今年7月の習主席香港訪問に随行しているが、第十三次、第十四次五カ年計画の草案を作成し、その中で香港と本土の統合強化に章を割いている。王滬寧は鄧小平の“一国二制度“による統治原則について“革新的“として賞賛すると同時に鄧がその支配権の重要性に重きをおいていたことを指摘している。また王は一国二制度の原則と統治の間には絶妙なバランスが必要であると説いた。

蔡奇(北京市委員会書記/中央書記処常務書記):2018年に香港/北京協力会議を開催、首都北京と金融ハブ香港の画期的な共同を実現した。

李希(広東省委員会書記/中央規律検査委員会書記):2017年から広東省を担当し、香港に隣接する省として地域協力を推進した。今年3月にCovid-19感染が最悪のピークを迎えた際も中央政府のサポートを調整し、物資の供給が途絶えないよう協力した。

参考(Wikipediaより)

Rita 范徐麗泰:香港特別行政府立法会初代主席を1997年から2008年まで務めた後、2018年まで全国人民代表大会常務委員会委員。父親は寧波出身で上海に移って製紙業で大成功した徐大統。徐大統は青帮※の大ボス杜月笙のパートナーでもあった。徐一家は上海が共産党の手に落ちる運命を見据えて香港に移住した杜と共に香港に渡った。Ritaの洋名は当時の銀幕スターであったRita Hayworth※からとった。

※青帮は20世紀初頭、大戦の混乱期に上海で暗躍した秘密犯罪組織。官憲公認の下で麻薬貿易を中心に恐喝、賭博、売春などを収入源とした。蒋介石の国民党からの依頼で組合活動や労働ストライキの妨害なども請け負った。蒋介石率いる国民党が共産党に敗れ1949年に中華人民共和国が設立すると青帮は香港に逃れてヘロインの精製所をつくったが、地元のシンジケートと薬物市場の支配権を争い、その後姿を消した。
※映画「ショーシャンクの空に」で主人公のアンディ・デュフレーンが刑務所で調達屋のレッドにロック・ハンマーとリタ・ヘイワ―スのポスターを注文するが、原作タイトルはRita Hayworth and Shawshank Redemption。

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