水になるブログ

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李克強総理深圳に現る

 どうやら北戴河会議が終わったようです。この集まりは開始も終了も正式なアナウンスがありません。李克強国務院総理が中央政治局常務委員会のメンバーでいち早く公に姿を現し、引退した長老と共産党の幹部が避暑を目的に集まる非公式な会合が終了したとみられています。習近平総書記が三期目の続投を盤石にしたのか、あるいは大きな妥協を選択せざるを得ない状況に陥ったのか、ハプニングがあったのか、興味は尽きませんが知る由もありません。

 李克強総理が今週火曜日に深圳を訪れました。中国の製造業やIT産業の中心的役割を果たす広東省で地元の起業家らと交流した目的は大きく二つあると言われています。一つは消費や投資に関する統計が如実に示している、経済発展に対する失われた自信を回復させようというもの。もう一つはグレーターベイエリア構想に対する中央政府の支持を強調し、注目を集めようというもの。

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 背景とスケールが異なりますが、鄧小平の「南巡講話」をつい思い出してしまいました。いずれにしても広東省が実質的、象徴的に持っている中国経済に対する影響と期待の大きさの表れだと思います。また、今この時に李克強総理がこのような目立った行動に出る背景は何でしょうか。ペロシ下院議長が訪台したような、任期満了間際の思い出作りか、はたまた「今から行くぞ!」というキックオフでしょうか。

 一方で現実は厳しく、7月の統計でも資金需要の低下が鮮明になっており「流動性の罠」が指摘されています。個人的に気になるのはグレーターベイエリア構想で、2035年までの長期計画ですが、その成否やスピードは足元の香港経済にも影響を与えますので注目していきたいと思います。

Be water. my friend.