水になるブログ

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今週のふりかえり 2022年7月第五週 なんちゃって日本料理店

 今週も終わりました。

 香港で生活する上での大きな問題は物価が高いことですが、これは不動産価格、家賃が高いということと密接に関連しています。中国の(大都市の)不動産価格が東京よりも高い、ということがよく言われますが、香港の物件は上海と同じ家賃だとしても広さは半分、といった感覚です。

 物価が高くて何が困るか、というと食事です。外食するのは主に土日休日になりますが、価格と品質・サービスのバランスは消費者にとってたいへん厳しいです。香港は日本のものを取り入れる歴史は上海と比べても長く、日本食を提供する店の数も圧倒的に多いと思います。しかし、おまかせコースにHK$1000以上(今のレートで17000円)を惜しげもなく支払う余裕があればともかく、日本円の感覚で3000円、5000円で気の利いたおつまみとお酒を楽しめる、というニーズを満たしてくれるお店を見つけるのはほぼ不可能です。

 もし見つかったとしても、ゆったりとした雰囲気や安心のサービスは望めないでしょう。それは無理というものです。香港と上海の大きな違いの一つは家賃の水準のほかにも農村から無尽蔵に派遣される安価な労働力です。この人たちはスキルを身につけて地元では決して得られることのない収入を(限られた期間で)得るという動機付けをされています。飲食店などでも一生懸命働く人が多い印象です。香港の飲食店で働く人、特に若い人にあまり良いイメージがありません。多くは仕方なく時間を売っている人、という印象です。

 2007年から2015年までの中国は、北京五輪と上海万博を経てGDPでアメリカに迫る勢いに発展し、その真っ只中で生活していましたが、上海の日本食店の競争は熾烈だったと思います。この間に味、メニュー、サービス、店づくりのレベルはどんどん上がり、日本人としてはとてもありがたい環境を享受しました。中途半端な店はどんどん撤退しました。

 この中途半端な店、というのが香港には多く生存していると思います。多くは地元の経営によると思います。これは不思議です。そもそもこの家賃、人件費で競争していくのは上海よりも厳しい競争環境のはずです。香港で日本食といえば、ファーストフードや回転寿司も含めて上海よりも普及し、日常的な選択肢になっていると思います。消費者の舌は肥えていると思います。

 なぜ、数多の中途半端日本料理店(上海にいたころ「なんちゃって日本料理店」という言い方がありました)が生存できるでしょうか。日本に旅行する人の割合も上海よりはるかに高いはずです。普通に考えると、ここには大きなビジネスチャンスがある、ということになりますがきっと私が見落としている理由があるのでしょう。

 このように、しょうもない、何の生産性もない思索に耽るのが好きなのはなぜなのか、これも疑問です。今後も浅い思考力でこの問題をさらに深掘りしていこうと思います。

Be water, my friend.