水になるブログ

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香港の微妙な隣人 深圳

 深圳は鄧小平が指揮を執った改革解放における経済特区として目覚ましい発展を遂げて今や香港を上回る経済規模に至っています。TencentやHuaweiといったハイテク企業の本社があることも有名で、中国のシリコンバレーなどと呼ばれている一方、金融センターとしてもその重要性を高めています。

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 香港と隣あっており、福田区、羅湖区などが出入境のポイントとしてよく知られています。以前、ここを往来したことがありますが、海外に入国するのと同じようにイミグレーションの手続きがあり、バスで移動するのに手前でいったん下車し、手続きを終えると先に待っているバスにまた乗車するという具合で、不思議な感じを覚えています。

 3月14日から深圳がロックダウンになりました。食料品をはじめ、多くの物資が深センを通じて輸送されているため、供給に支障が出ることが懸念されますが、キャリー林長官は安定的な物資供給が約束されていると述べました。香港はここへきてCovid-19の感染者が爆発的に増えており、大陸に倣えとばかり、全員強制検査とロックダウンの実施が囁かれています。

 大陸側も、習近平総書記自ら香港を全力で支援するよう指示しており、得意の人海戦術を中心に検査、隔離などの施策が強力に推し進められることを予期させられています。うー頼むからほっといてくれ。

 言わずもがな、香港には大陸の人への悪感情を持つ人は少なくありません。本土からの日用品の爆買い、医療施設や公共住宅などの社会福祉へのただ乗りなどがある上、香港人の習慣は大陸に比べると洗練されていてお上品なので、がーがーとがなりたてる会話が聞こえるだけでイヤな顔をする人もいます。しかし今回の深圳の感染拡大については「香港から染った」などという批判が聞こえます。環球時報(共産党機関誌)の編集長だった胡錫進がSNSでそのような批判を煽動しています。なにがしたいんですかね、この人。

 キャリー林長官は14日の会見で深圳方式に倣うことについて「全員検査のやり方はそれぞれの地域の体制や動員能力に応じて検討されるべき」との見方を示しました。「深圳のやり方を学んでも香港の能力ではまだ実行できるレベルに達していない」とのこと。これは賢いコメントだな、と少し感心しました。

 深圳はロックダウンの期間中も株式市場は動いているそうです。これは倣ったほうがよさそうですね。

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