水になるブログ

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中国経済のロングテール

 パレートの法則を古典にしてしまったロングテールの法則はITが生み出した革新です。 

 中国経済のスローダウンが明らかになっていますが、経済主体のロングテールである小企業は全体で国家の税収の半分を担い、GDPの60%を占め、都市の雇用のうち80%に貢献しているそうです。

 Covid-19の発生、燃料価格高騰、グローバルサプライ・チェーンの混乱など、経済に悪影響をもたらす要因が重なる中、中国の場合は特に不動産デベロッパーへの融資規制とウイルス感染に対する厳しいロックダウン政策が合いまって、じわじわと経済活動を蝕んでいます。

 「中国経済の成長は需要縮小、供給の混乱、市場期待の低下という三重苦に見舞われている」。これは外部の論評などではなく、当事者である共産党の中央政治局常務委員が出席する中央経済工作会議(12月8日〜10日開催)で指摘された内容です。

 このような状況下で中国の小企業の登記件数に驚くべき変化が起こっています。今年、中国の小企業登記抹消件数は過去最多だった2020年の450万件を越える見込みで、なおかつ抹消数が新規登録数を上回るのはこの二十年来初めてのこと。

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 新規登録数は2019年まで右肩上がりで増加し1370万件を記録したあと、2020年には600万件に激減し、それでもなお抹消数より多かったのですが、今年はそれが逆転する見込みです。中国では企業、法人の登記は簡単だが抹消には手間も時間もかかるそうです。地方政府にとって税収となる企業、法人が登記は歓迎すべきことであっても抹消は手間がかかるだけで一毛の得にもならないからでしょう。

 つまり、実際にはさらに多くの企業、法人が事業閉鎖、倒産を迎えているものと推測されます。この推移をみているだけで、果たして来年の中国経済は予測されているように5%台の成長が実現するのか、甚だ懐疑的にならざるを得ません。

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