水になるブログ

米国株を中心とした投資、料理、ゴルフの話題をお伝えします。

香港大手不動産デベロッパーの憂鬱(4) モノポリー

 昔、モノポリーというボードゲームに凝ったことがありました。首尾よく土地、建物、公共事業などに投資を積み重ねて最終的に他のプレーヤーを破産させると勝つというゲームで、資本の論理を体感することができます。パークプレースやボードウォークの一等地にビルを建てると、ちょっとした成功体験のようなものを感じることができましたが、特に子供のころはやや残酷な感覚をもったことを覚えています。

 香港四大不動産デベロッパーであるCK Aasset Holdings、Henderson Land Development、New World Development、Sun Hung Kai Propertiesの決算をみて、彼らこそが資本主義社会の勝者だと改めて感じました。4社合計で、総資本は30兆円、もちろん純資産は潤沢で、財務体質は本土のデベロッパーとは大違いです。直近の売上高は3.5兆円、そしてなんといっても税引き前利益が33.6%(!)。過去からの蓄積として、香港の低い法人税と再投資、価格の上昇、そして複利効果によるものと推測します。

 私も含めて、ここに住む人々は毎日毎日、彼らのモノポリーゲームの盤上をぐるぐると回っているわけです。常にどこかにお金を落としながら。香港という、数奇な運命の下に生まれ、やがて金融、不動産、貿易の一大拠点として劇的に発展したゲーム盤の上で勝者となった彼らのスピリットは"winner takes all"なのです。

 しかしそんな彼らにとっても、今、ちょっとした潮目の変化が現れつつあります。

(続く)

Be water, my friend.

 

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