ここ一ヶ月でやや持ち直しているジョンソン&ジョンソンの株価ですが、昨日は米国株三指数が続落する中反発しました。
同社はベビーパウダー訴訟により将来予定される巨額費用の対策として事業分割した後、分割した子会社に資産を移し、破産させるスキームを実行中です。
これは"divisive merger"と称するテキサス州法で認められているスキームで、同州のカントリーダンスになぞらえてTexas two-step bankruptcyという別名が与えられています。なんだか粋ですね、と言うと不謹慎でしょうか。
すでにLTL Managementという子会社に資産、負債を譲渡しており、10月14日にChapter11(米連邦破産法11条、日本の「民事再生法」に相当)の申し立てがされています。ところが、この申し立てを受けて審理をしていたノース・カロライナ州破産裁判所からニュー・ジャージーの裁判所に移管すると申し渡されました。
当該子会社が登記されているノース・カロライナよりも本社が登記されているニュー・ジャージーが司法管轄として優先されるとの見解です。(留保されている訴訟とそれに連なる保険の紛争の件数が数万に上ることから)
ともかく一ヶ月時間が無駄になってしまったことだけは確かです。
Be water, my friend.