水になるブログ

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米国株 AT&T 高配当株の罠

 高配当株の罠でしょうか。第三四半期の決算をクリアしたAT&Tですが、値動きはぱっとせず、昨日は△1.5%下落しました。12月5日に予定していた5Gの新しい周波数利用開始が延期になると発表があり、この影響が大きいと思われます。

 AT&Tにとって今後の収益性や株価に大きな打撃を与えるということはないと思いますが、メディア事業の分離や財務体質改善に取り組みながら収益性回復を図っている途上の同社としては新たな暗雲、といったところでしょうか。

 米国の通信キャリアはVerizon、AT&T、T-mobileが三強です。2018年から5Gの提供を開始していますが期待される速度がなかなか出ないという問題を抱えています。

 連邦通信委員会(FCC)は5G用のエリア拡大のためミッドバンドの割当・追加に注力していますが、官民共用を推進したいミッドバンドの既存ユーザーである国防総省(DOD)とexclusiveを望むモバイル業界の間で利害衝突があります。

 ともあれ2020年12月から衛星や教育から転用される周波数の割当オークションが始まっています。

www.wsj.com

  • AT&T、Verizonの2社が12月5日開始予定の5Gの新しい周波数帯(Cバンド)の運用を延期することになった
  • 連邦航空局(the Federal Aviation Administration)が航空機の安全システムとの干渉を懸念したため
  • 2社は5Gの開始を来年1月5日まで延期する(これは企業側が自主的に判断した)
  • 通信に関する規制を管掌する連邦通信委員会(the Federal Communication Commission)は航空の安全と技術のリーダーシップはともに国家の優先事項だとし、2社が運用の延期を決めたことを評価した
  • Cバンドは3.7から4.2GHzの周波数域をカバーしており、スペクトルは5Gネットワークに非常に適している
  • 他国でもすでに携帯電話などの利用に使われている
  • AT&T、Verizon、T-MobileはCバンドのラインセンスを獲得し、2023年の広範に利用開始の予定
  • 12月の運用開始は携帯電話用に限定されている
  • 一ヶ月の延期は2社の収益に重大な影響を与えるわけではないが、たとえばVerizonはすでにユーザーの1/4が5Gにアップグレードしている
  • 航空業界の団体は連邦航空局の制限(今回の新しい周波数帯の利用が安全航行に及ぼす影響を回避するための制限)は空港だけでなく周辺地域、旅客や貨物、に甚大な被害をもたらすことを政府に訴える準備をしていた

Be water, my friend.