ついにFRBの債券購入縮小開始(テーパリング)が決定され、市場はむしろ想定してたとおりに決定したことに安心したかのようにポジティブに反応しました。
なにが決定したかというと、現在毎月$1200億ドルずつ実施している債券購入を$150億ドルずつ縮小するというものです。今月から開始し、2022年6月までの8ヶ月で完了します。
明快ですね。どうなるかわからない、と思っていたことが、こうなる、と決まると人は安心するのだと思います。また、縮小のペースや、その後の利上げの実施についても状況を見ながら対応していく、と言っているのもよかったと思います。
来年の二月には任期満了となるパウウェル議長ですが、ていねいなコミュニケーションで好感がもてるな、と思います。今回の相場の動きからも続投の可能性が高まったのでは、と思います。
テーパリングと利上げに関する要旨
- 毎月$800億の国債と$400億の住宅債券を購入し、残高は昨年3月から二倍の$8兆ドルになった
- 今後、毎月$150億ドルのペースで購入額を減らす
- ただし経済情勢の変化に応じて速度を早める、緩める可能性がある
- インフレーションは、中央銀行が債券購入ペースを早めなければならない、と感じるほど高水準が続く、との見方もある
- 一方、インフレーションが続くとしても労働市場が回復すればFRBとしても急がなくてもよい理由になる
- 4月から9月までの間、FRBは高水準のインフレーションについて主に一過性の要因によるものだ、としてきた
- パウウェル議長によると、"一過性"と言っているのは、それが「永遠には続かない」、あるいは「とてもしつこい高インフレーションではない」ことを指している(短期間で終わる、という意味ではない)
- さらに、「インフレーションの水準は想像していたよりも高く、根本要因はより執拗で、より広範にわたり、この水準が来年まで続く情勢にあるとみている」
- 利下げについては、「労働市場が来年第二四半期にはFRBが目指している雇用の最大化まで到達することによって可能になる」との見解を示した
- 債券投資家はFRBが来年夏には債券購入を停止後に利上げを実施し、年内に再度の利上げをすると見込んでいる
Be water, my friend.