日本でもすっかりおなじみとなり、飛ぶ鳥を落とす勢いの恒大集団。やや食傷気味ではないでしょうか。今回は香港被害者の会として不動産仲介企業の登場です。
香港の財務長官Paul Chanによれば恒大が香港で負っている債務は香港ドルで140億ドル(23億US$)と見積もられ、香港の銀行が保有する資産の0.05%程度で、影響はきわめて軽微とのこと。
香港の仲介業者Midland Realty Internationalは560万US$の支払い請求をしています。エメラルド・ベイとヴェルテクスというプロジェクトで398戸分の住居を販売した対価が支払われていないからです。
また別の仲介業者Centalineに対しては2600万US$の未払いがあるそうです。
私は中国の大陸と香港の両方でプロジェクトに関わる仕事をしてきましたが、大きな違いとして支払いに関する社会通念があります。香港は交渉や難癖などいろいろあってもゲームのルールとして債務履行の前提が通念としてあると感じています。大陸はこれが希薄です。むしろ先に払った方が負け、くらいに感じます。
また、贈収賄に対する規制や監督についても両者の間で大きな差があると思っています。今回のような事例が香港の比較的健全な社会通念にへんな影響を与えないでくれよ、と願います。
およそ2兆元(33兆円)の債務、という数字を毎日目にするようになり、多くの人が憶えてしまっていると思いますが、これらの不動産仲介手数料の未払いは含まれてないのでは?と疑います。
Be water, my friend.