ドクシミティ(DOCS)は今年IPOした銘柄で、IPO後の決算もよく、株価は50%以上上昇しました。私も保有しています。
そのビジネスモデルはヘルスケアセクターにおけるLinkedInにたとえられています。すでに米国の80%以上の医師と90%以上の医学生がユーザー登録しているということなので、短期間に普及しており、その利便性や新機性が高く評価されていることを窺わせます。
しかし、すでにそれだけ普及しているということはそこからさらに、このビジネスがどこまでの成長が期待できるのかが投資家にとっては大きな疑問となります。
そもそもドクシミティの事業は一般にはほとんど知られていないと思いますので、そのビジネスモデル、どのように成功しているか、そして今後の課題はなにか、についてご紹介します。
この記事の結論
ドクシミティは現在の高いバリュエーションにみあった今後の成長機会を見いださない限り、投資する価値はないだろう。
ドクシミティのビジネスモデルとは
- 医師と患者のコミュニケーション、医師同士のコミュニケーションの利便性と質を高めるプラットフォームの提供
- ドクシミティの顧客は医師ではなく、製薬会社であり、その広告収入にたよっている
どのように成功しているか
- 米国の80%の医師にリーチできるとあって、上位20社の全製薬会社がドクシミティの広告を利用しており、2020年は2億ドルの売上高になった
- 10万ドル以上をつかった企業は移動12ヶ月で前の12ヶ月と比べて67%も広告支出が増えた
- ドクシミティの株価はIPO以来、+60%まで上昇した
今後の課題は
- すでに80%の医師にリーチしているドクシミティがどうやってさらに成長を続けることができるのか?
- 方法は米国以外に市場を拡大するか、別の専門職業領域(たとえば法律家、弁護士)に拡張するか
- しかし経営陣はこのような成長機会に目を向けていないようだ
- 第二四半期で32百万ドルに達した潤沢なキャッシュフローをプラットフォームの強化に投資し、医療セクター内でのさらなる顧客獲得をねらっている
- 同社が今の株価に見合った成長を遂げるにはあまりにも限定的な機会をねらっているにすぎないため、今のままでは投資に値しないだろう
Be water, my friend.